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水高



目 次
雪と農事 盗人と法螺 男と女と鬼 狐と蛇
和尚と小僧 長者と怠け者 福と禍 蝦夷と大和


はじめに
 「方言」は本来、「音」で生きる言葉だと思っている。
 それを「表記」すること自体、無理があり、凡例的に言えば、品詞を問わず、無謀な送り仮名を加え、私の住んでいる地域の方言の雰囲気がでれば、と、自己流の表記にした。
例えば、「昔=昔す/語る=話だる/男、女=男ご、女ご/時=時ぎ/中=中が/畑=畑げ」などのようにである。
 ここに収録した「噺」は、二〇〇一年四月から二〇〇三年一二月まで、「胆江日日新聞」に連載したものである。新聞紙面の関係で字数、季節感などの配慮から、創作の色が濃いものとなった。伝承という性質からいえば、許容される範囲で書いたつもりである。
 「遠野物語」のような世界は、全国どこにでもあると、私は常々思っている。ここに掲載する以外に、この地域にもまだまだ多くの民話や伝説が、雪の下に埋もれている。
拙著は、悪筆ながら、方言の本文を手書きにし、下手な挿画も含め、全くの手作りである。
「方言」を失った世代のためにもと思い、 方言版と翻訳版の二段構えとした。
        二〇〇八年一月 著者
著者紹介
佐藤秀昭:第10回生のOB 。水沢在住。
昭和49年、詩集「毛越寺二十日夜祭」で第15回土井晩翠賞を受賞。
郷土の歴史・文化にスポットを当てる著書を出版し、また多方面の活動もしている。
主な著書や共著は「教学の山河・佐藤得二の生涯」、「人間・織田秀雄・土の唄」、「胆沢平野・水と大地の物語」、「江刺・藤原の里」、「古代アテルイの里」、「岩手の蘇民祭」など。

HP事務局より
原著はA4横、上半分が手書きの方言版、下半分が活字の翻訳版で、ともに縦書き。パソコンディスプレイでの読み易さ、Web作法を考慮して、方言版は表示/非表示が選択できるようにし、翻訳版は横書きとした。
方言版は |づもな| をクリックすると見られます。
著書の微妙なニュアンスが損なわれているかもしれない。

全部で119話あり、とても一度に掲載できないので、1年がかりぐらいで、不定期に掲載します。