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平成26年度岩手県立水沢高等学校同窓会総会について

向暑の候、貴台には益々御清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、今年度水沢高等学校同窓会総会を下記の通り開催いたします。
お盆を目前に何かとお忙しい折とは存じますが、本総会に御出席を賜りますよう御案内申し上げます。

記 1 日 時  平成26年8月9日(土) 14:00~14:45  同窓会総会 15:00~16:30  講演 「仕事のモチベーションを高めるスーパー速読」 講師:高橋真紀 氏(H3卒) 《日本速読協会認定講師》 16:40~18:30  懇親会

2 会 場  水沢グランドホテル(奥州市水沢区東町40 ℡0197-25-8311)

3 会 費 \2,000(懇親会費:当日受付にて頂戴いたします。)

※ 当日にご参加をいただく方々の人数把握と名札の準備をいたします関係で、
ご参加の有無につきまして、7月31日までに同封のFAX用紙にてご連絡を
頂くか、下記宛てメール及び電話でご連絡をお願いいたします。

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第1回ゲスト 佐々木英也氏 日本の西洋美術研究の権威

<水高から東京芸術大学、ローマ大学に学び、イタリア・ルネッサンス美術の権威となった佐々木英也東京芸術大学名誉教授・前岩手県立美術館長>

xsingle_img01_jpg_pagespeed_ic_IxsNY8OzpM<佐々木英也氏略歴> 
• 岩手県江刺市(現・奥州市)に生まれる。
• 1951年 岩手県立水沢高等学校卒業。
• 1956年 東京藝術大学美術学部専攻科卒業。
• 1958年 イタリア政府給費留学生としてローマ大学に学ぶ。
• 1961年 国立西洋美術館研究員。
• 1972年 『ザ・ヌード』で日本翻訳出版文化賞受賞。
• 1976年 東京藝術大学美術学部助教授。
• 1985年 教授。
• 1990年 『ジョットの藝術』でマルコ・ポーロ賞受賞。
• 2000年 定年退官、名誉教授。
• 2001年 岩手県立美術館館長。
• 2010年 退任。

Q(山口光会長):
佐々木英也さんは私の兄と同級で、少年時代には一緒に遊んでいただいた事を覚えていますが、水沢高等学校から東京芸術大学に入学、西洋美術を専攻されて美術学部専攻科を卒業後、1958年イタリア政府給費留学生としてローマ大学に学ばれました。終戦直後の当時、西洋美術をめざし、芸大に入る人はなかなかいなかったのではないかと思いますが、どのような思いで水沢から東京芸大に入学されたのでしょうか。その当時の苦労話や思い出、水高の美術部の活動なども教えてください。

A(佐々木英也氏): 
 もともと理数科が不得意だったので、「美術手帳」で、今度新しく芸大に「芸術学科」が創設されたという記事を目にし、これだと決めて受験しました。美術史をやるなぞという人は当時少なかったので、あまり苦労することもなくイタリア留学もでき、西洋美術館を経て、東京芸大の教師となりました。

Q:当時、影響力のある先生はどんな人たちですか?阿部庄先生の思い出は?

A(佐々木英也氏):当時の水沢高校には良い先生が揃っていて、美術の岩田先生等まことに幸せだったと思っております。阿部庄先生には英語ばかりではなく、言葉そのものの魅力を教えていいただき、その影響は私の中に永く生き続けてたと、いまなお、深い感謝の念を覚えております。

Q:イタリア・ルネッサンスに興味をもたれた背景は、そしてローマ大学に入るためにどのような御苦労があったのでしょうか?ローマでの留学中の思い出なども教えてください。

A(佐々木英也氏):
東京芸大にイタリア美術史の非常に優れた先生がいらっしゃったことが第一と思っています。また芸大では声楽科などがあるため、イタリア語による授業が充実していて、何の苦労もなく勉強することができました。イタリア留学も芸大ではごく当たり前なコースになっておりました。
ローマ留学中の思い出は、とてもここでお話ししきれません。まことに楽しゅうございました。

Q:著書には、マルコポーロ賞を受賞した「ジョットの芸術」スクロヴェーニ礼拝堂壁画を中心としてや、「マザッチオールネサンス絵画の創始者」―など沢山、イタリア美術に関する著作や翻訳書がありますが、ルネッサンス美術について、水高の後輩たちに伝えたいことはどんなことですか?

A(佐々木英也氏):
当時とちがって、今は恵まれすぎています。それだけ、関心が散漫になる恐れもあるでしょう。その点では、私たちのときより大変です。まあ、やることを少し、絞ったらどうでしょうか?

Q:西洋美術館での研究員時代のことや東京芸術大学で教えていたころの思い出は?

A(佐々木英也氏): あまり沢山ありすぎて、とてもここで書ききれません。西洋美術館も東京芸大も、どちらでもまことに良い環境に恵まれて、好きなことを自由にやれ、幸せでした。今なお、私は芸大の教師の気分からぬけきれません。

Q:最後に、郷里、水沢が育んだものとはどんなものですか?また水高の高校生たちに最も伝えたいことは何ですか?

A(佐々木英也氏):なんといっても良い先生と良い仲間に恵まれたこと。今思えばずいぶんと貧しい時代でしたが、そんなことを全く気にならず、ひたすら学生生活を楽しみました。感謝のほかありません。

single_img02佐々木英也氏の主な著書
• ルネサンス絵画 保育社 1964 (カラーブックス)
• ジョットの芸術 スクロヴェーニ礼拝堂壁画を中心として 中央公論美術出版 1989.7
• 聖痕印刻 ジョットの後期壁画をめぐって 中央公論美術出版 1995.11
• 天使たちのルネサンス 日本放送出版協会 2000.1 (NHKブックス)
• マザッチオ ルネサンス絵画の創始者 東京大学出版会 2001.12

佐々木英也氏の翻訳
• ローマ / ジルベール・ピカール 美術出版社 1966 (世界の建築)
• 風景画論 ケネス・クラーク 岩崎美術社 1967 (美術名著選書) のちちくま学芸文庫 
• 近代画家論 リオネロ・ヴェントゥーリ 坂本満,高階秀爾共訳 角川書店 1967
• ザ・ヌード 裸体芸術論 理想的形態の研究 ケネス・クラーク 高階秀爾共訳 美術出版社 1971 のちちくま学芸文庫
• レオナルド・ダ・ヴィンチ / マルセル・ブリヨン 小学館 1983.6 (世界伝記双書)
• ヴァティカン宮ラファエルロの壁画 D.レディグ・デ・カンポス 岩波書店 1984.1
• ヴァティカン絵画館 カルロ・ピエトランジェリ 岩波書店 1995.11

歴史を振り返る好機

◎2014年は歴史を振り返る好機、世界を動かした三つのこと

グローバル化が曲がり角を迎えはじめた

2014年の夏は、世界を揺り動かした大きな歴史の節目を振り返る好機だ。1914年に始まった第一次世界大戦から100年、第2次世界大戦のナチスドイツの敗北のきっかけを作った連合軍のノルマンディー上陸作戦から70年、そしてソビエト帝国の崩壊と冷戦終結、天安門事件から25年という節目の年だ。そして来年は戦後70年を迎える。

今年6月、筆者は世界新聞大会に参加するため、イタリアのトリノに出張したが、経由したパリのシャルルドゴール空港の本屋で時間つぶしをした際、フランスのメディアがDデー(ノルマンディ上陸作戦開始の日)を記念するさまざま特集にエネルギーを割いていることに驚かされた。ルモンドもL‘Expressも、また大衆紙までが、Dデーの特集を組み、70年前に、どのように各連合軍部隊がノルマンディーの海岸に上陸、展開し、ナチスドイツへの反撃に転じたもようを詳細な地図やイラスト、写真を駆使して報道していた。この記念式典にはオバマ米大統領、プーチン・ロシア大統領、そしてドイツのメルケル首相も参列した。

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欧州を引き裂いた、列強同士の勢力争いが第1次世界大戦を引き起こし、のちにロシア革命と共産主義革命の引き金となり、ナチスドイツの台頭でおきた第2次世界大戦は欧州を疲弊させ、ユダヤ人虐殺のホロコーストの悲劇を生んだ。Dデーは欧州の全体主義国との戦いに連合軍が勝利するきっかけとなり、自由で民主的な西欧が米国の庇護のもとで築かれることになった。

第2次世界大戦後の世界秩序再編は共産圏対西側資本主義圏との東西分断、東西冷戦を生み出した。そして1989年の冷戦終結、やがてソ連崩壊へと歴史の歯車は動いた。その間、アジアでは中国の「改革開放路線」が鄧小平によって1978年から動き出し、1989年に天安門事件が起きた。中国は国内の民主化運動を押さえつけ、下からの政治改革を拒否、トップダンンの共産党主導の政治路線を確立、経済改革を推進、今日の中国の経済大国化の道を開いた。

過去25年を振り返ると、世界にとって最も重要な変化はグローバル化と言わざるを得ない。市場経済が世界中で受け入れられ、インターネットで国境を超えた情報が駆け巡り、デジタル革命,IT革命で人、モノ、カネが動き、各国や各地域経済が単独では生きていかない、より統合された経済が作り出されている。

しかし、こうした市場経済の構造改革やグローバル化の一方で、リーマンショック後の世界経済金融危機、日本の低迷した20年とよばれるデフレ経済、新興国家群(BRICKS)が求める世界経済のパイの再配分、ロシアのクリミア併合などウクライナをめぐる失地回復を目指す動き、中国の経済的大国化と軍事力の拡大による“中華帝国”の復活をめざす自己主張の顕在化–など、民族主義的、国家的な利害によって世界の分断が懸念されるナショナリズムの新たな動きもある。

尖閣諸島や南沙諸島をめぐる中国の海洋権益確保を全面にだした戦略が東アジアで問題を引き起こしている。日本、中国、韓国をめぐる安全保障上の利害の対立は、地域紛争の危険性を増している。米オバマ政権のアジア政策が大きな試練に直面している中で、安倍内閣が進める集団的自衛権と憲法解釈変更の問題は日米関係に複雑な反応を引き起こしてもいる。

このようなグローバル化の進展の陰で世界秩序がきしみ始めて大きな曲がり角に立っているような気がしてならない。戦後70年を迎える前に、この夏はもういちど過去100年の世界を揺り動かした問題に日本人としてあらためて思いをはせ、歴史を俯瞰的に見つめ直す好機だと思う。

(山口 光)

H25年度同窓会総会議案書

H24年度同窓会総会議案書