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水高地元が国際的研究成果の拠点に 史上初のブラックホール輪郭撮影  水沢VLBI観測所

 100年以上前、アインシュタインが一般相対性理論を基に存在を予言していたブラックホール。その輪郭が、日本などの国際チームによって史上初めて撮影され、4月10日、日本を含む世界6カ所で同時に行われた記者会見でその画像が公開されました。

 

EHTて撮影したM87中心ブラックホールの画像(Credit: EHT Collaboration)

 日本で行われた記者会見で発表を行ったのが国立天文台の本間希樹(ほんま・まれき)教授(47)。2015年4月から国立天文台水沢VLBI観測所所長を務めておられます。今回の史上初の快挙達成にはデータの画像化で本間教授をはじめとする日本人研究者が大きく貢献しました。母校水沢高校の地元である奥州市が研究拠点となった世界的成果は私たち同窓生にとっても非常にうれしいニュースでした。

 そもそもブラックホールとは? 非常に高密度で、強い重力を持つ天体です。あらゆるものを吸い込み、光さえ逃れられないため、直接姿を見ることはできません。1970年代初め、地球から6千光年離れた「はくちょう座X1」がエックス線の観測で発見されました。

 どうやってできるのでしょうか。太陽の数倍から10倍程度の重さを持つ星が一生を終えるとき、自らの重さによってつぶれてできるとされるのが「恒星質量ブラックホール」。太陽の100万倍以上と非常に重い「超巨大ブラックホール」は天の川銀河を含む多くの銀河の中心にあります。

M87中心ブラックホール周辺のイメージ図(Credit: Jordy Davelaar et al./Radboud University/BlackHoleCam)

 

 ブラックホール自体は直接見られないので周辺で起こる現象を観測します。周囲のガスが吸い込まれる際に出るエックス線や、ブラックホール同士が合体する時に波紋のように広がる時空間の揺れ「重力波」を捉える手法があります。

 今回は世界6カ所の電波望遠鏡を組み合わせ、直径1万キロという地球サイズの望遠鏡を仮想的に作りました。それを使ってブラックホールの周囲にある高温のガスなどが出す電波を捉えました。すると真ん中にブラックホールの輪郭が影のように浮かび上がったというわけです。

 その困難さはというと…今回のブラックホールは地球から見ると月面上のテニスボールほどの大きさしかありません。地球サイズの望遠鏡を作ったのはそれを鮮明に描くためです。視力は人だと良くて1・5くらいですが、この望遠鏡は300万にもなるということです。

 国立天文台のプレスリリースによると、今回撮影されたのは、おとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホール。このブラックホールは、地球から5500万光年の距離にあり、その質量は太陽の65億倍にも及ぶということです。

 

楕円銀河M87の可視光写真(ESO)=国立天文台プレスリリースより

 

 世界6カ所の電波望遠鏡を組み合わせ、直径1万キロという地球サイズの仮装望遠鏡はイベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)と呼ばれ、EHT代表を務めるシェパード・ドールマン氏(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター)は「200人以上の研究者がチーム一丸となって成し遂げた偉大な科学的業績」と今回の成果を振り返りました。

 

EHT望遠鏡配置図(Credit: NRAO/AUI/NSF)

 

 電波望遠鏡はアンテナの口径が大きいほど天体から来た電波を多くかき集められるため、画像が鮮明になるのですが、1台の望遠鏡を巨大化させるには限界があります。このため、世界のさまざまな場所にある望遠鏡をつなぎ、幅広く電波を捉えることで、仮想的に地球の直径に近い1万キロの口径に匹敵するデータを集めました。これが「超長基線電波干渉計(VLBI)」と呼ばれる方式です。

 ただし仮想アンテナは1枚のおわん形アンテナと違い、世界に散在する望遠鏡と望遠鏡の間に届いた電波のデータを拾うことはできないため、欠けた部分の形は統計学を利用して推定して補ったということです。

 水沢VLBI観測所の本間教授らは「スパースモデリング(Sparse Modeling)」と呼ばれる推定方法を基に、多くの専門家に適切だと認められる画像を作るデータ処理の手法を開発し、今回のプロジェクトに採用されました。

 さらに日本は参加した電波望遠鏡の一つ、南米チリにあるアルマの運用チームに加わっており、直径12メートルの望遠鏡約40台をつなげ、アルマだけで直径約70メートルという大型の仮想望遠鏡をつくり、データを提供しました。

 アルマが設置されたアタカマ砂漠は標高5千メートルという高地で気圧が低く、読み出し装置に空気の流れが必要なハードディスクが使えません。光ファイバーのケーブルを使い、標高の低い施設まで観測データを送るシステムには、国立天文台のグループが提供した技術が使用されるなど、ここでも日本が大きく貢献したということです。

 今後も観測が進めば、謎の多いこの暗黒の天体の正体だけでなく、星や銀河ができる過程も分かり、宇宙の歴史に迫ると期待されています。世界的研究成果の重要な拠点となった水沢VLBI観測所が身近にある私たちの母校水沢高校は文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定も受けています。今回のニュースが在校生の皆さんのよい刺激となり、本間先生の後に続く人材が現れてくれれば、と夢想します。(同窓会関東支部・及川仁=1980年卒)

4月15日 開校記念日 (創立109年)

NHKで放送される水高音楽部に関する番組(2/2)について

水沢高校音楽部を取り上げた番組

再発見いわて「合唱にかける~水沢高校音楽部 のど自慢からの挑戦~」

が東北六県のNHK総合テレビで2月2日(土)10:32~10:59に放送されます。

これは12月7日(金)に岩手ローカルで放送されたもので、好評だったために東北地区での放送となったようです。

屋内運動場「昇龍館」に、(株)及源鋳造 様より寄贈いただいた鋳物製の銘板を設置しました。

小野寺清哉さん(昭和36年3月卒)が「学校安全 文部科学大臣賞」を受賞され、岩手日報に掲載されました。ここに紹介します。

NHKで放送される水高音楽部に関する番組(12/7)について

水沢高校音楽部を取り上げた番組がNHK総合で12月7日(金)19:30~19:57に放送されます。再放送は12月15日(土)10:55~11:22です。いづれも岩手ローカルです。

詳細は

http://www.nhk.or.jp/morioka/pickup/2018/181207.html

敷地内樹木の一部伐採について

同窓生の今泉宜子さんが企画担当した特別展「明治日本が見た世界」の記事が共同通信から配信されました

 「みんなの広場 交流掲示板」で展覧会開催についてのお知らせが掲載されていますが、1989年卒(第41回生)で今年の同窓会総会や2015年の関東地区同窓会総会で講演した明治神宮国際神道文化研究所主任研究員、今泉宜子さんが企画、キュレーションを担当した特別展「明治日本が見た世界」の記事が共同通信から配信されました。

 今泉さんは今回の展覧会を企画するにあたり「聖徳記念絵画館の主役は80点の壁画ですが、今回の特別展は絵に描かれた人物や描いた画家に着目し、彼らの視点を通して(日本や世界に)思いをはせました」とおっしゃっています。

 今泉さんから特別展の写真を2枚提供していただきました。

特別展「明治日本が見た世界」会場
来場者に説明する今泉宜子さん(左端)

 記事は共同通信加盟の全国の新聞社に20日付朝刊以降の解禁で配信されていますので、皆さん、岩手日報や河北新報、東京新聞などでご覧になった(なる?)かもしれません。特別展は11月11日(日)まで。

 聖徳記念絵画館はJR中央・総武線「信濃町駅」より徒歩5分、都営大江戸線「国立競技場駅」より徒歩5分、東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目駅」より徒歩10分です。ぜひお出かけください。

 記事は以下の通りです。

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◎少女たちが開いた教育の扉/聖徳記念絵画館
  
 東京都新宿区の明治神宮外苑にある「聖徳記念絵画館」で特別展「明治日本が見た世界」が開催中だ。日本初の女子留学生など、明治時代に海外に渡った日本人が果たした役割をゆかりの品や文書と共に紹介。女子留学生の1人、大山捨松(すてまつ)が米国の友人に贈った写真立ても初公開されている。
 1926年完成の同館は、明治天皇の生涯の出来事などを描いた巨大絵画80点を展示。徳川慶喜が政権を朝廷に返上する決意を重臣たちに伝える場面「大政奉還」、勝海舟と西郷隆盛の会談の様子を表した「江戸開城談判」といった教科書でおなじみの絵が並ぶ。 特別展の見どころの一つが明治初期の欧米への使節団をテーマにした絵画「岩倉大使欧米派遣」に関連する展示だ。
 使節団は岩倉具視を全権大使とし、不平等条約改正の交渉と欧米の視察のため渡航。絵は横浜港から出発する岩倉ら使節団と見送りの人々を描いている。展示品には同行した久米邦武のメモ類も。久米は後年、見聞を「米欧回覧実記」にまとめ、日本の近代化に影響を与えた。
 絵の右下の少女たちは日本初の女子留学生として渡米した当時6歳で最年少の津田梅子、11歳だった山川(後に大山)捨松らだ。
 帰国後、梅子は後に津田塾大となる女子英学塾を設立、捨松は梅子を助け顧問を務めた。2人の友人で、捨松のホストファミリーだったアリス・ベーコンも来日して2年間、教壇に立った。
 彼女らの記念写真や、捨松がアリスに贈った写真立ても展示されている。写真立ては、アリスが枕元に置き大事にしていたという。国を越えて日本の女子教育に尽力した先人たちの友情が伝わってきた。

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                               (同窓会関東支部)

(注)記事は今泉さん、共同通信社の許諾を得て掲載しています。

東京学芸大副学長を務める佐々木幸寿さん(1979年卒)の記事が岩手日報に掲載されました

 1979年卒(第31回生)で現在、東京学芸大副学長を務める佐々木幸寿さんのインタビュー記事が8月27日付岩手日報に掲載されました。佐々木さんは東京学芸大が2008年度に創設した同大教職大学院長も兼任し、日本の教職員養成の改革に取り組んでいます。

岩手日報2018年8月27日付

この下の緑色のタイトルをクリックすれば記事を拡大して読めます。

20180827岩手日報佐々木幸寿さん

  佐々木さんの詳しい経歴は次の通りです。

 

 佐々木幸寿(ささき・こうじゅ)1960年岩手県奥州市(旧胆沢町)生まれ。79年に水高を卒業後、東北大経済学部卒業、東北大大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専攻は学校法学、教育行政学。
 岩手県内の高校(盛岡南高、釜石工業高、黒沢尻北高、一関第一高)、県教育委員会(指導主事,主任管理主事)に勤務。2006年から信州大(助教授・准教授)に転じ、その後,東京学芸大(准教授)に異動。現在、東京学芸大教授・副学長、教職大学院長。
 主な著書に「市町村教育長の専門性に関する研究」(風間書房、06年)、「憲法と教育」(学文社、08年)、「改正教育基本法 -制定過程と政府解釈の論点-」(日本文教出版、09年)、「東日本大震災と学校教育」(かもがわ出版、12年)、「学校法」(学文社、17年)など。

 

 佐々木さんのますますのご活躍を願ってやみません。

(注)記事は佐々木幸寿さん、岩手日報社の許諾を得て掲載しています。

                                   (同窓会関東支部)

2018年水沢高等学校文化祭「飛龍祭」開催

◎爽(そう)~初龍にならむと逆巻けり 2018「飛龍祭」開催

 今夏の猛暑も奥州市ではやや和らいだ9月1日(土)、われらが岩手県立水沢高等学校の文化祭「飛龍祭」が開催されました。
 今回のテーマは「爽(そう)」。まさに猛暑を吹き飛ばすようなさわやかでフレッシュな文化祭を来場客に感じてもらいたいとの思いを込めました。サブタイトル「初龍にならむと逆巻けり」は龍が丘にそびえる水高にちなんだ句を短詩部が提供しました。

 同窓会フライヤーはこの下の緑色のタイトルをクリックしてください。PDFファイルで読めます。

飛龍祭フライヤー1 飛龍祭フライヤー2

 飛龍祭では短詩部による「ミニ俳句甲子園」や理数科による研究展示や科学的実験、茶華道部によるお茶会や生け花展示、音楽部によるミニコンサート、書道部による書道作品展など文化各部による多彩な展示のほか、有志による「水高復興支援プロジェクト プレゼンツ 西日本 いいもん うまいもん 復興支援隊」が目を引きました。
 また毎年好評を得ている江刺の菓子処、菊正堂さんが紅白まんじゅうに水高の雪の徽章を焼き印した「水高まんじゅう」を今年も同窓会ブースで販売しました。


 応援団ブースでの手ぬぐい販売では、定番の校歌入りのほか「龍ケ丘健児」「真 善 美」「友愛 清新 気迫」がプリントされた同窓生にとって懐かしの手ぬぐい各種も販売しました。
                               (同窓会事務局)

水高同窓会仙台支部「宮城の食材を味わう昼食会」

 水高音楽部が3月のNHKのど自慢のチャンピオン大会に出場。全国にさわやかな歌声を響かせてくれました。
 さて、今年も仙台支部の交流会を開催いたします。校長先生、本部同窓会長等を来賓に迎え、水沢高校の新旧の話題に花を咲かせます。「初めてだったけど、参加して良かった」、「二人の女性副会長に驚いた」などのご意見をいただいております。
 9月25日にハガキで案内状を送付しましたが、特に平成以降の卒業生は住所変更によって届いていない方もおられます。メール、ハガキなどでお知らせくだき、またお声がけをお願いします。

日 時:平成30年11月4日(日)11:00~13:00
会 場:ホテルレオパレス仙台
    仙台市宮城野区榴岡4丁目 6-28  TEL: 022-706-0001                      
   (仙台駅東口徒歩5分・ヨドバシカメラ東入口から南方向、
    地下鉄東西線・宮城野通駅[北2出口])
会 費:お一人 5,000円 (当日お支払い)
※回答期限 10月19日(金)必着でお知らせください。
<連絡先>:佐々木伸 
      携 帯:090-6226-5617    
      FAX&TEL:022-218-1918 
      e-mail:jet.shin-mds@jcom.home.ne.jp 
      住 所:〒981-3101 仙台市泉区明石南1-24-2

H30年度同窓会総会議案書

平成30年度 岩手県立水沢高等学校同窓会総会 開催案内

                              平成30年7月5日 

岩手県立水沢高等学校同窓会員 各位

                          岩手県立水沢高等学校同窓会
                           会 長  長 野 耕 定 

    平成30年度岩手県立水沢高等学校同窓会総会について(ご案内)

向暑の候、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
 さて、標記につきまして下記の通り開催いたします。母校の発展を期し、同窓生の懇親を深める場にいたしたいと存じます。ご多忙のところと恐縮ですが、ご出席賜りますようご案内申し上げます。
            記
1.日 時  平成30年8月11日(土)「山の日」
13:30~        受付
14:00~14:30  同窓会総会
14:45~16:00  講演会
        16:20~18:30  懇親会

2.会 場  水沢グランドホテル
  (奥州市水沢東町40 電話 0197-25-8311)

3.講演会  講師 明治神宮国際神道文化研究所主任研究員
          今 泉 宜 子(よしこ) 氏(平成元年3月卒業 高校41回生) 
       演題 「 2020年の明治神宮 ~100年の森に学ぶ歴史~ 」

東京大学教養学部比較日本文化論学科卒業。雑誌編集者を経て、
國學院大學で神道学を専攻、2000(平12)年より明治神宮に所属。2002(平14)年、 ロンドン大学SOAS博士課程修了。博士(学術)。2009(平21)年9月より1年間、フランス国立社会科学高等研究院客員研究員。著書に『明治神宮 戦後復興の軌跡』。

        ※講演会のみの出席も歓迎いたします。
        ※講演会は同窓生以外もお聞きいただけます。

4 会 費  3,000円(懇親会にご出席の方) 当日受付にて頂戴いたします。

5 出 席  出席をご希望の方は、8月1日までに、下記の様式により、ファクシミリ
       でお申し込みください(お名前、ご卒業年、お電話番号を必ずごお知らせ
       ください)。

6 その他  お問い合わせ先
         水沢高等学校同窓会事務局 佐 藤 貴 之
          電話 0197-24-3822  ファクシミリ 0197-24-3822

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《出席申込様式》
ファクシミリ送信先
岩手県立水沢高等学校同窓会
FAX:0197-24-3822

平成30年度 岩手県立水沢高等学校同窓会総会 出席票

該当箇所を丸で囲んで、送信してください。

1 総 会 ご出席   ご欠席

2 講演会   ご出席   ご欠席

3 懇親会   ご出席   ご欠席
(懇親会は3,000円を当日いただきます)

お名前                       

ご卒業年度                年度   

ご住所                       

お電話番号                     
        

国立天文台水沢キャンパスで最新鋭スパコン稼働ー 世界最速の「アテルイ2」

国立天文台水沢キャンパスで最新鋭スパコン稼働


 水高にほど近い国立天文台水沢キャンパス(旧緯度観測所)でこのほど、天文学に特化したスーパーコンピューターとしては世界最速の「アテルイ2」の運用が始まり、6月1日、同施設で記者発表が行われました。シミュレーションで描き出す映像の解像度が向上することで銀河の進化や星の起源の解明につながることが期待されているということです。
 早速、取材した共同通信盛岡支局の佐々木夢野記者に話を伺ってみました。佐々木さんによると、記者発表した国立天文台の小久保英一郎教授はアテルイ2の導入により「太陽の起源や動きを詳細にシミュレーションできるほか、銀河系の誕生と進化を3次元で再現できる。現実の宇宙の姿に近づけるのではないか」と期待を寄せていたそうです。
 アテルイ2は頭脳となる演算処理装置を約4万個使用することで、1秒間に約3千兆回の計算が可能で、先行実施された双子星の形成過程のシミュレーションでは、望遠鏡での観測と同様に星に向かってガスが落下する様子を描き出したといいます。

 現代の天文学は宇宙を望遠鏡で直接見る「観測天文学」と物理学と数学によって現状を記述して理解する「理論天文学」を両輪として発展してきたそうです。しかし、コンピューターが発達した今日、理論だけでは解くことができない方程式を数値的に解き、シミュレーションによってコンピューターの中に宇宙や天体を実験的に作り出し観察する「シミュレーション天文学」が宇宙を理解するために欠かすことのできない第三の手法となっているとのこと。
 佐々木さんによると、国立天文台天文シミュレーションプロジェクト長の小久保教授は「現代天文学におけるシミュレーションの役割はますます大きくなってきている。観測される天体がなぜそのように見えるのか、また観測できない宇宙や天体では何が起きているのか、など物理に基づいたシミュレーションによって描き出すことができる。新しい〝理論天文学の望遠鏡〟として超新星の爆発の機構や、銀河の形成と進化、恒星と惑星系の起源などの問題を解き明かしてくれることを期待している」とアテルイ2導入の狙いを語っていたということです。
 小学生時代は小遣いをためて天体望遠鏡を買い、天体観測に熱中。作文では〝将来の夢〟として「天文学者」と書き、水高理数科に進んだ筆者ですが、2年時の数ⅡB「数列」をきっかけに数学、さらに物理や化学など理科系科目でことごとく挫折し、〝理数科内私文〟に日和りました。ですが、今回のニュースで次の帰省時には国立天文台水沢キャンパスを訪れ、再び宇宙のロマンに思いをはせてみようかと思いました。
 今回、この原稿を書くに当たって協力してくださった佐々木さんは日本海に面した島根県江津市の出身でことし3月に宇都宮大学国際学部を卒業、4月に共同通信に入社したばかりの新人記者。盛岡支局に勤務し、四国とほぼ同じ面積の岩手県を取材で東奔西走しています。今回、奥州市を訪れ自身の故郷を思わせるのどかさに「懐かしさ」を感じたそうです。「岩手県は広いからこそ、たくさんの魅力がつまっていて、発見するのが楽しい」と話す佐々木さんには、今後も岩手の魅力を全国に発信していただきたいと思います。(1980年卒・同窓会関東支部副会長 及川仁)

同窓会報46号「最近3年間の大学合格状況」訂正(私大) HP上での訂正になりますことをお詫びいたします